マンガで読み解く、ホームズとワトソンの秘められた心理戦 「赤毛組合」はツンデレから始まる物語だった?

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 小説は「書かれていること」だけではなく「書かれていないこと」つまり「行間」を読むことが大切です。

しかし残念ながら「行間」は、元の言語(英語)から翻訳されるとき、消えてしまうことが多いのです。

 今回は、シャーロック・ホームズ作品のなかでも屈指の名作「赤毛組合」をとりあげます。

物語の始まりが、日本語訳とはまったくちがう場面に感じられる、これまで読んだことのない心理的駆け引きに満ちたホームズの世界をどうぞお楽しみください。

※ただし、小説の読み方は人それぞれですから、独自の解釈が含まれています。

●日本語訳で読む「赤毛組合」の会話 「赤毛組合」の冒頭部の翻訳を新潮文庫版から引用します。

“去年の秋のある日のこと、訪ねてみるとシャーロック・ホームズは、非常にからだつきのがっしりしたあから顔の、髪の毛の燃えるように赤い年配の紳士と、何事か熱心に対談中であった。

うっかりはいってきた不作法をわびて、出てゆこうとすると、ホームズがいきなり私をつかまえて部屋のなかへ引っぱりこみ、ドアをぴたりとしめた。

” (『シャーロック・ホームズの冒険(新潮文庫)』より) この訳文を読むと、ワトソンが、ホームズの忙しいところにひょっこり訪れて「これは失礼」と直ちに出て行こうとしたら、ホームズが、すかさず引きとめた、と感じないでしょうか? それなら、ワトソンは礼儀正しく、ホームズは友情にあつい、という場面になります。

●初歩的だが、ワトソン、これはありえないのだ しかし、シャーロック・ホームズ級の推理力がなくても、このイメージが間違っていることは、あきらかです。

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