Gartner(米国コネチカット州スタンフォードに本拠地を置く、世界最大規模のICT(情報通信技術)リサーチ&アドバイザリ企業)は2024年10月3日(米国時間)、生成AI(人工知能)に関する予測を発表した。これによると、2027年までに生成AIによってソフトウェアエンジニアリングやオペレーションに新しい役割が生まれ、エンジニアリング部門の従業員の80%がスキルアップを強いられるという。
Gartnerのシニアプリンシパルアナリスト、フィリップ・ウォルシュ氏(以下、ウォルシュ氏)は次のように述べている。「AIによって人間のエンジニアの需要が減ったり、完全に取って代わったりする可能性がある、という大胆な主張に基づく臆測が広まっている。しかし、AIはソフトウェアエンジニアの将来の役割を変革することはあっても、複雑で革新的なソフトウェアを提供する上で、人間の専門知識と創造性が常に不可欠だ」
それを踏まえ、ウォルシュ氏は、AIがソフトウェアエンジニアの役割に3つの影響を与えると予測し、下記のように述べている。
短期的影響:AIの機能は一定の限界内に限られる
AIツールは、既存の開発者の作業パターンやタスクを補完することで、一定の生産性の向上をもたらす為、成熟したエンジニアリング体制を持つ組織の熟練開発者にとって最も大きな効果をもたらす。
中期的影響:AIエージェントの登場によって限界が押し広げられる
AIエージェントにより開発者はより多くのタスクを完全に自動化して、自らの負荷を軽減できるようになる。これにより、ほとんどのコードがAIによって生成される、AIネイティブなソフトウェアエンジニアリングの時代が到来するだろう。そのためAIを正確に導くより質の高い自然言語にによる「プロンプトエンジニア」やRAG(検索拡張生成)のスキルがソフトウェアエンジニアにとって必須となる。
長期的影響:AIの進歩が限界を打ち破り、AIエンジニアリングの時代が到来する
AIによってエンジニアリングの効率は向上する一方で、AIを活用したソフトウェアの需要が急速に増加するため、組織はより熟練したソフトウェアエンジニアが必要になる。
AIを活用したソフトウェアの構築には、新しいタイプのソフトウェア専門家であるAIエンジニアが必要になる。AIエンジニアは、ソフトウェアエンジニアリング、データサイエンス、AI/機械学習(ML)のスキルを兼ね備えた、特別なスキルセットを持つ専門家だ。
(引用元:https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2410/22/news072.html)
AIの登場により人間のエンジニアの需要が減る、といった憶測はかなり前から言われてきたが、2027年という具体的な数字が提示されたということは、それが確実なものになってきたということを示していることになります。
今後これからプログラミングの職を目指していくエンジニアや職務歴が短いエンジニアにとってはとても耳がいたい。だがそれによって、開発の工数を削減、ケアレスミスの軽減、その他にも企業にとって多くのメリットをもたらすものである。
AIとともに伴奏し、これからの日本をよくしていくそんな成果物を算出できるようしっかり学んで活用していく必要があると感じた今日この頃です。